猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

LDと知的障害について

LDの定義を調べていて思ったことについて書く。


文部科学省によるとLDは以下のように定義される。

LD(学習障害)とは、知的発達の遅れは見られないが、特定の能力に著しい困難を示すものです。また、ADHD注意欠陥多動性障害)とは、発達段階に不釣り合いな注意力や衝動性、多動性を特徴とする行動の障害です。両者ともに脳などの中枢神経系に何らかの機能障害があると推定され、発達障害に分類されます。

(8)LD、ADHDの教育:文部科学省


ちなみに知的障害の定義は以下の通り。

知的障害とは、記憶、推理、判断などの知的機能の発達に有意な遅れがみられ、社会生活などへの適応が難しい状態をいいます。

(3)知的障害教育:文部科学省



LDであることの条件に知的障害でないことがあるため、LDと同時に知的障害である人は定義上存在しない。

そのためもあってか、両者は別の領域のこととして扱われている(と思う)し、支援者が支援の手立てを考える際に参照とする知識の枠も違うように思う。

しかし、ディスレクシアの人が書くような鏡文字を知的障害者でも書いたりすることがある。LDの人の見せる症状の原因が脳のどこかで起きている何かであって、その何かが知的障害者脳のどこかで起きている可能性だって無いわけでないと思う(脳についてあまり知らないので全然違うかもしれないけど)。あくまでLDと知的障害が別の現象なのは定義の上での話だ。

だから、知的障害者とLDが定義上別のことだとしても、知的障害者の学習支援をする際にLD界隈の知識を参照できるかもしれない。と、そんなことを考えたのでした。