猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

池田光男『眼はなにを見ているかー視覚系の情報処理ー』

眼はなにを見ているか―視覚系の情報処理 (平凡社 自然叢書)

眼はなにを見ているか―視覚系の情報処理 (平凡社 自然叢書)

『基礎から学ぶ認知心理学』(有斐閣)で紹介されていたので読んだ。

眼が外界の光刺激をどのように取り込み、どういう処理を施して脳に送っているかが一般読者向けに平易な表現で書かれている。出版されたのは1988年なので30年近く前の本であり、紹介されている実験は時代を感じさせるが、実験の背景が分かりやすく書かれており、眼の作りの不思議に対し、視覚研究者が今までどのような取り組みを行ってきたかを丁寧に説明していると思った。

何よりも著者が視覚の不思議に魅了されており、その不思議さや魅力を読者に伝えたいというのが伝わってきて楽しく読めた。