続・二項分布の3次のモーメント
前回の記事で、モーメント母関数を用いた二項分布の3次のモーメントの導出について書いた。今回は、二項分布から抽出したデータの分布を実際に見ながら3次のモーメントと分布の形にについてみてみる。
Rのデフォルトの関数には、歪度を計算するものはないらしい。momentsというパッケージを入れれば、その中にskewness()という歪度を計算する関数があるので今回はそれを使う。
まずは、成功確率が異なる二項分布から、それぞれ 程度でデータを発生させる。
dat1 <- rbinom(1000,10,prob=0.5 ) dat2 <- rbinom(1000,10,prob=0.25) dat3 <- rbinom(1000,10,prob=0.75) dat4 <- rbinom(1000,10,prob=0.10) dat5 <- rbinom(1000,10,prob=0.90)
それぞれのデータで歪度を求めるとともに、度数分布をプロットしてみる。
まずは、のものから。
で、0に近い。分布もそれに対応して概ね左右対称である。
続いて、のものを見る。
である。歪度は正の値だと、右の裾が長くなると言われており、分布からも確認することができる。
今度は、。
であり、負の値なので左の裾が長くなっている。一つ前のものと比べると絶対値は似たような値であり、分布の歪みの程度が大体同じであることを示している。
より偏りのあるで見てみよう。
であり、より大きな偏りを持ち、右の裾の長い分布であることが分かる。
最後は。
で、予想通りに左に裾が長い分布が確認できる。
歪度を求めると分布の形についてより詳細に分かるので、分布の形状を確かめるときには算出すると良いでしょう。