IQの絶対値的な解釈
「〇〇をするにはIQ▲▲以上必要」みたいな文言、すなわち、IQを絶対値のように扱っている人に出会うことがある。よくってほどではないけれども、忘れていたころに「あぁ、またか」といった具合で出会う。
知能指数、IQ(=intelligence quotient)というのはシュテルンという心理学者が考え出したもので、精神年齢を暦年齢で割り100をかけたものがその始まりである。だから、6歳児のIQ100と8歳児のIQ100では持っている能力は違う。この場合、6歳児の精神年齢は6歳だが、8歳児の精神年齢は8歳である。(ここら辺の話は『人間の測り間違い』に詳しく書かれていたと記憶している。)
従って冒頭の「〇〇をするにはIQ▲▲以上必要」というのは明らかにおかしい訳である。これが「〇〇をするには発達年齢▲▲歳以上必要」だったら分かるのだけれども。
でも、繰り返しこういった表現に出会うということは、どこか私の知らないところで、IQが知能の絶対値を表している世界があるということなのだろうか。その場合は自分の勉強不足を恥じるだけなので、もし情報を持っている方がいたら教えてほしい。
- 作者: スティーヴン・J.グールド,鈴木善次,森脇靖子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1989/07
- メディア: 単行本
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