猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

自閉症の遺伝的関与に関する初期の研究

今では自閉スペクトラム症に遺伝子が関与していることはよく知られているが、下記リンクはその初期における重要な研究。少なくとも片方が自閉症の診断を受けている幼児期の21組の双子が研究の対象となった。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1469-7610.1977.tb00443.x


11組が一卵性(monozygotic:MZ)で10組が二卵性(dizygotic:DZ)であった。一卵性双生児の36%が自閉症の一致率があった一方で(つまり、4組が双子ともに自閉症)、二卵性双生児では0%の一致率であった。認知能力の異常に関しては、一卵性が82%の一致率である一方で二卵性では10%に止まった。 このことから、自閉症に限定はしないもの自閉症を含む認知的な異常について遺伝的影響が結論づけられている。

この研究がその後の自閉症と遺伝の多くの研究のきっかけとなったようである。