猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

物理的構造化と活動の遂行

ここのところの物理的構造化について考える機会が多い。

以前は、活動の意味理解みたいな点が物理的構造化の肝だと考えていた。つまり、ASDの人にとって「ここは〇〇をやる場所なんだ」というのが理解できるようにすれば良いと思っていた。

しかし、意味が理解できれば活動が遂行できるかというと、最近はそうでもないというような気がしている。ASDの人が「ああ、〇〇やればいいのね」と思った次の瞬間に「ん?あれはなんだ。気になるぞ」と思って、理解された意味があっというまに消えてなくなってしまうようなことはよくあることだからだ。とりわけ、機能的に低いASDの人ほどこういった傾向は強いと思う。

期待する活動の理解を促すために場所と活動を1対1で対応させるというのは基本的なことだが、それに加えて、その活動にとって不要な刺激を無くすというのも同様に大切だということを実感している。

『TEACCHハンドブック』(学研)には、「能力の高くない子どもには、高度(厳密)な構造化が必要である。そのために、多くのついたて、仕切り、色分けしたカーペットなどを用いる。(p.103)」と書いてある。「高度(厳密)な構造化」を行なう際には、刺激の管理というのは検討しなければいけない重要な要素の一つだろう。





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