猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

田村・石隈『石隈・田村式援助シートによる実践チーム援助』

石隈・田村式援助シートによる実践チーム援助―特別支援教育編

石隈・田村式援助シートによる実践チーム援助―特別支援教育編

仕事の都合で読んだ。

最近は、自分自身が直接的に支援を実施することに加えて、教員や職員など支援者を支援する間接的な支援ということも行っている。その中で、チームとして支援を行う仕組みづくりの重要性を認識するようになり、関連する分野に手を出している。

通常の小学校・中学校・高等学校における特別支援というのは基本的にリソースが限られている。ソフト面で言えば、特別支援教育に詳しい教員がいる場合もあるが、その専門性を持った人材が必ずしも校内にいる訳ではないし、職員が個別の支援や配慮を行える余裕は学校によって違いがある。ハード面でも、利用できる教室・教材等学校によって違いがある。

そこで今あるリソースが学校内のどこに存在しており、どのように活用すれば良いのかということを整理する必要性が出てくる。校内にないのであれば地域のどこに頼れば良いのかを検討することになるだろう。

本書では、それらの情報を整理するワークシート、そして実際の支援においてそれらのリソースをどのように活用するかについての共通理解を図るワークシートがついており、それらをコピーすればそのままチームを機能させるための流れがつくれるようになってくる。

「チーム学校」という言葉とともに、外部人材の活用が近年言われるようになったが、それらをコーディネートする知恵の蓄積がないと、チームとして機能することはないだろう。特別支援教育コーディネーターの先生や、支援学校で地域支援にあたっている先生は読んで得るものが多いと思う。