豊田秀樹編著『もうひとつの重回帰分析 予測変数を直交化する方法』
- 作者: 豊田秀樹
- 出版社/メーカー: 東京図書
- 発売日: 2017/06/08
- メディア: 単行本
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飛ばし飛ばしだが一応最後まで読んだ。
本書の根底にある問題意識は「重回帰分析において偏回帰係数の解釈の誤りがとても多い」ということで、それに対する改善案が提案されている。偏回帰係数は「他の予測変数(独立変数)の値が一定であるときに、当該の予測変数を1単位動かした時の基準変数(従属変数)の平均的な変化量」という意味を持っているのであるが、予測変数が多数ある場合にこの仮定は無理が大きくて実質的な解釈は困難が多い。
そこで、予測変数間の相関がゼロになるようにデータの収集を工夫しましょうというのが本書のテーマで、具体的には直交表を用いてコンジョイント分析をする方法が紹介されている。死刑判断に影響を及ぼす要因と魅力的なお見合いという例を元に分析の考え方やRを用いた具体的な手順が解説される。
データの生成過程というのが改めて大事だなぁと思い、実験計画の本を改めて読み直そうと思う読書だった。