猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

ウェクスラー式検査をちゃんと扱おう論文

www.jstage.jst.go.jp

成人発達障害者の臨床を念頭においてウェクスラー式の検査の留意点について丁寧に書いてある。オープンアクセスだしおすすめ。

論文に直接書かれている訳ではないけど, 最近ADHDの成人の状態像についての論文を読む中で高機能だと適応・補償スキルが高くて表面上の症状がマスクされるみたいなことを書いてあったことを思い出した。

Clinicians should also be aware that high functioning adults with ADHD may not present with a typical pattern of functional impairments in their daily life. Adaptive or compensatory skills can develop that mask the more overt behavioral problems related to ADHD

Updated European Consensus Statement on diagnosis and treatment of adult ADHD - ScienceDirect

発達障害者の臨床においてなんとなくで知能検査が取られるケースというのも話に聞いたりするけれど, とる目的というのをはっきりさせるのは大事ですね。

糸井論文でも触れられているけれど知能検査から診断は無理筋なのでちゃんと障害種に特化したアセスメントを取るべきなんですけど、こうした検査をしっかりやっている機関はどの程度あるんでしょうね。 https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/67-9-12.pdf