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猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。ブログ名にあまり意味はありません。

里見ほか『実践インリアル・アプローチ事例集 豊かなコミュニケーションのために』

実践インリアル・アプローチ事例集―豊かなコミュニケーションのために

実践インリアル・アプローチ事例集―豊かなコミュニケーションのために

仕事で必要があり読んだ。前作を読んでいたのでインリアル自体知らないわけではなかったが、この本を読み、以前に思っていたよりもずっとずっと素敵なアプローチだと思うようになった。

(前作についての記事はこちら↓)
竹田契一・里見恵子 編著『インリアル・アプローチ 子どもとの豊かなコミュニケーションを築く』 - 猫も杓子も構造化


この本は、タイトルが示す通り全部で12の実践事例が収められている。子どものコミュニケーションの段階や課題は違っているが、どの事例もインリアルの枠組みで分析がされ、コミュニケーションを豊かにするためには何が必要かが検討されている。

読んでいて、インリアルの魅力はコミュニケーションを分析する過程にあるなぁ、ということを思った。ビデオでの分析を通じて発見があり、その発見をもとに大人が関わり方を変えると、違ったコミュニケーションの側面が見えてきて、またそれを分析して、それを繰り返し、コミュニケーションが少しずつ豊かになっていく。その変化のプロセス自体がインリアルの価値のように思う。

監修者はまえがきで次のように述べている。

インリアルの醍醐味は、子どもと大人両者、さらに、ビデオ分析を通じて分析者と分析を受ける物の間に新たに生まれてくる相互作用にこそあるということを感じます。このビデオ分析というプロセスがインリアルそのものです。

ビデオ分析でのやりとりを紙面にするということはとても難しいことだろうに、この本はその分析の過程を追体験できるように丁寧に作られており、コミュニケーションが変わっていく過程をしっかりと捉えることができインリアルの魅力に触れることができるようになっている。コミュニケーションの問題についてしっかりと考えたい人にはぜひ読んでみると良いと思う。