猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

2017-01-01から1年間の記事一覧

猫も杓子も今年の3冊【2017年】

昨年、一昨年とやっているので今年も良かった本の紹介を。【昨年までの記事】 猫も杓子も今年の3冊【2016年】 - 猫も杓子も構造化 猫も杓子も今年の3冊【2015年】 - 猫も杓子も構造化 今年は自分の身分的なところにそれなりの変化があり、本を読む時間は昨…

信頼区間について

真値は不変、区間が確率的に変動。 真値は不変、区間が確率的に変動。 真値は不変、区間が確率的に変動。みなさん、1日10回音読しましょう 特に人に説明する立場にあるひt・・・うわなんだおまえやめくぁwせdrftgyふじこlp【参考】 信頼区間についてよくある誤…

小貫悟・桂聖『授業のユニバーサルデザイン入門』

授業のユニバーサルデザイン入門 (授業のUD Books)作者: 小貫悟,桂聖出版社/メーカー: 東洋館出版社発売日: 2014/04/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る仕事の都合で読んだ。以前紹介したUDL(学びのユニバーサルデザイン)とは別物である。こっ…

続・クロンバックのα

前回の記事で全ての折半法の平均がクロンバックのαであるということについて書いた。nekomosyakushimo.hatenablog.com 今回は、内的整合性の意味をより理解するためにデータをいじって遊んでみる。内的整合性とは乱暴に言えば、テストの中の項目がどれだけ同…

クロンバックのαについて

友人からクロンバックのαについて質問を受けてあれこれ調べたことの記録。クロンバックのαとは信頼性係数の一つで内的整合性を表すものだとされている。テキストなどには信頼性係数の推定には(1)再テスト法、(2)平行テスト法、(3)内的整合性などがある…

Pythonの環境整理

色々な記事を参考にパッチワークのようにしていじっていたら、バージョン違いのPythonのどこに何が入っているのか訳が分からなくなったので整理することにした。その覚え書き。そもそも、今のところ自分に必要なのは、実験をプログラミングするための2系のpy…

Python版OpenCVによるpng画像と透過処理について

必要があって画像処理の技術に入門している。その覚書。 (出所:いらすとや)このタヌキが今回の実験台である。かわいい。opencvを使って画像を読み込む際はimreadを使う。 # coding:utf-8 import cv2 import numpy as np src = "test.png" img = cv2.imrea…

今まで読んできた統計本・数学本

今年は統計ネタの記事が多くなってきたので、記事を描く際に参考にしている本をまとめて紹介します。数学本も一緒に紹介するのは、統計関連の本を読む際に、数学が全然分からなくて勉強しなおした関係です。ただ並べるだけだとあれなので主観的なオススメ度…

バイク用ブーツカバーを買ってみた

ここのところ雨が多かった。わたしは平日はほぼ毎日バイクに乗る必要がある。となると防水対策をしないとQOLの低下は免れない。ワークマンで昔買ったレインウェアはまだ防水性能を保っている。しかし、防水だったはずの靴に関してはもはやその機能が失われて…

川上康則編『通常学級でできる発達障害のある子の学習支援』

通常学級でできる発達障害のある子の学習支援 (特別支援教育がわかる本)作者: 内山登紀夫,川上康則出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2015/04/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る久々に臨床的なものの紹介でも。オールカラ…

UDLについてのアレコレ

(追記:なぜか「学びのUDL」と書いていましたがそれじゃlearningが重複していましたね。正しくはUDLもしくは学びのユニバーサルデザインです。)UDLという言葉がある。これはUniversal Design for Learning の訳語で、その意味するところを簡単に書くなら、…

Pythonでお絵かき(エビングハウス錯視編)

以前にPythonでカフェウォール錯視の画像を作った。nekomosyakushimo.hatenablog.com今回はカフェウォール錯視に続いてもう少し複雑な感じのお絵かきを試みる。錯視界隈では有名なエビングハウス錯視でいってみよう。エビングハウスが何だか分からない人はWi…

世論調査と誤差

NHKの世論調査で各党の支持率が公表されていた。www3.nhk.or.jpNHKのサイトによれば、NHKの世論調査の標本サイズは3600人だそうである。世論調査の手順 - 調査相手の抽出 | NHK放送文化研究所3600人の抽出調査に対して誤差の範囲が次のように紹介されている…

日本版WISC-Vは今

ブログへのアクセスを見ると、WISC-Vの動向が気になる人が多いようで、英語で書かれた資料をまとめた次のページへのアクセスが多い。nekomosyakushimo.hatenablog.com 日本語版の開発状況がどうなっているのかというと日本文化科学社のサイトに次のようなペ…

LD学会所感

10月7日から9日の間に宇都宮で開催されたLD学会に参加してきた。きれいなまとめや読者に有益なまとめなどは目指さず(というか私には出来ませんし)、拡散した思考を書き散らかしておく。親の会のシンポ、ローラクリンガー先生による特別公演、内山先生によ…

必要なサンプルサイズの大きさは(実験編)

前回の記事で、調査を行い母集団における比率を求める際に、誤差を任意の範囲内に収めるための計算について書いた。比率については、 の式の、Eの部分に収めたい範囲の誤差を代入すると求まることが分かった。式の上では理論的に求まったものの本当にこれで…

必要なサンプルサイズの大きさは

先日社会調査に関連した話の中で、「完全に無作為抽出が達成されてたとしたらサンプルサイズがどれくらい必要か」についての話になった。「今の首相を支持するかどうか」のようなシンプルな比率の調査をする際にどれくらいのサンプルの大きさがあれば信頼に…

バイスプライヤーすごい(セローのエンジンオイル交換に伴うアレコレ)

セローのエンジンオイルを交換したのですが、そのとき想定外に手間取ったことに関するメモ。手順は下記のサイトを参考にしました。セロー250メンテナンス オイル交換方法 | セロー250でバイク旅ただオイルを抜いて入れるだけの話なので難しいこともないはず…

二項分布の4次のモーメントの導出

前回までで3次のモーメントをやったんだから次は4次だろう(安易)。nekomosyakushimo.hatenablog.com nekomosyakushimo.hatenablog.com 原点まわりのモーメントの導出 まず、モーメント母関数を3回微分したのものがこちら。 これを、(大変に面倒くさいけど…

続・二項分布の3次のモーメント

前回の記事で、モーメント母関数を用いた二項分布の3次のモーメントの導出について書いた。今回は、二項分布から抽出したデータの分布を実際に見ながら3次のモーメントと分布の形にについてみてみる。Rのデフォルトの関数には、歪度を計算するものはないらし…

二項分布の3次のモーメント

統計学の教科書において確率分布を紹介するときに2次のモーメントまでしか載っていないことが多い。モーメント母関数を用いれば、何次のモーメントでも求めることができるので、何の役に立つかは分からないが、ここでは二項分布の3次のモーメントを求めてみ…

モーメントについて

モーメントについての学習メモ。モーメント(積率)という概念がある。これは、確率分布の性質のうちのいくつかを数値で表したものである。平均値や分散というのもモーメントの一種である。離散値をとる確率変数について、その確率分布をとしたときに、の期…

続続・自由度について(実験修正編)

以前書いた記事で不偏分散と標本の分散の比較し、そのときは別々の標本からそれぞれの統計量を計算した。nekomosyakushimo.hatenablog.comしかし、よくよく考えると同じ標本からそれぞれの統計量を計算した方が比較の観点からは正しかったのだと気づいた(標…

続・自由度について(別証明編)

前の記事までで、標本のデータから母分散を推定するには、n-1で計算した不偏分散を用いると不偏推定量が得られることについて書いてきた。nekomosyakushimo.hatenablog.com nekomosyakushimo.hatenablog.com今回はそのことについての別の観点からの学習メモ…

続・自由度について(実験編)

この記事は不正確な内容を含みます。下記の新しい方の記事が正確です。(2017/9/18) nekomosyakushimo.hatenablog.com ーーーーー前の記事で、標本から母分散を推定するときに、nではなく自由度であるn-1を用いることについて書いた。今回はそのことをRを用…

自由度について

統計関係の概念の中でも理解しづらいものの一つに「自由度」がある。得られたデータから、母分散の不偏推定量を求める時に、nではなくて、n -1 で割るだとか説明されて分かったような分かっていないような気になるアレである。それに関連する学習のメモ。ま…

連続のための修正とは何か

連続のための修正(連続性の補正)について調べたことのメモ。(まだ理解は不完全なのであまり信用できる記事ではありません。) やや遠回りではあるが、まずは離散変量での検定について考える。コインを10回投げて表の出る回数(確率変数)というのは、n=10…

柴田淳『みんなのPython』

みんなのPython 第4版作者: 柴田淳出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2016/12/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る『心理学実験プログラミング』(朝倉書店)からPythonに入り、一応簡単な実験プログラムなら書けるようになったも…

pep8とflake8の導入について

pep8というものがある。自閉症療育に関心がある方なら、TEACCHプログラムの開発したPEP-3(自閉症・発達障害児教育診断検査第3版)というのが思い浮かぶかもしれないが全くもって関係ない。pep8とは、Pythonでコードを書くときのスタイルガイドである。これ…

信号検出理論事始め

信号検出理論というものがある。もともとは、レーダーの性能など通信工学的な分野で発展した理論でそれが感覚や知覚の心理学研究に応用されるようになったらしい。以下の本を参考に、自分の学習のメモを残す。(記事の内容の正しさは保証できないため、しっ…