猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。ブログ名にあまり意味はありません。

ナグリエリ・ピカリング『DN-CASによる子どもの学習支援―PASS理論を指導に活かす49のアイデア―』

DN‐CASによる子どもの学習支援―PASS理論を指導に活かす49のアイデア

DN‐CASによる子どもの学習支援―PASS理論を指導に活かす49のアイデア

  • 作者: J.A.ナグリエリ,E.B.ピカリング,前川久男,中山健,岡崎慎治
  • 出版社/メーカー: 日本文化科学社
  • 発売日: 2010/12/05
  • メディア: 単行本
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人の認知処理がどうなっているかであったり、それが学習や日常生活とどう関連しているかに興味があり読んだ。

DN-CASというのはダスとナグリエリが開発したアセスメントでPASS理論という認知処理過程の理論に基づいている。

PASS理論では、人間の認知処理をプランニング(Planning)、注意(Attention)、同時処理(Simultaneous)、継次処理(Successive)の4つからなる過程で捉えている。これらの認知処理過程は読み、書き、計算といった学習や、その他日常生活の様々な活動に関わっている。

DN-CASでは、4つの認知処理過程のそれぞれの得点を算出することができる。そうすることにより、対象者の認知処理の強みや弱みに応じた学習支援を実施することができる。

この本は、DN-CASの検査結果をもとに指導や支援を行なう人の視点に立って書かれている。検査を実施する人のためのマニュアルではなく、検査結果をいかに活用するかということが焦点である。

第1部ではPASS理論についての簡単な解説とPASS理論を用いた支援の事例紹介がなされる。第2部では、PASS理論を活かした学習支援の指導案が紹介され、認知処理と学習技能を関連付けた指導方法の例を多数見ることができる。

訳が良く、非常に読みやすいのでPASS理論の概要や支援にどうつながるのかを知りたい人にはオススメである。

ラニングについての指導案を読んでいて、テストを受けるための方略や学習スタイルについての学習など、学習そのものではないが学習を支える技能というのはもっと重視されるべきだよなぁと考えていた。特に、通級指導教室とかではけっこう使えるのではないだろうか。

あと、英語圏と日本語圏の学習支援だともろもろ事情が違う所もあるだろうから(つづりの指導、漢字の指導、作文教育への意識の違い等)、事例が蓄積されて、この本の日本の学習環境版のようなものが出てほしいなぁとも思った。