S-M社会生活能力検査の用途
前回の記事と同じシリーズ。
nekomosyakushimo.hatenablog.com
今度はS-M社会生活能力検査で調べてみた。
S-M社会生活能力検査の活用と事例 ‐社会適応性の支援に活かすアセスメント‐
- 作者: 旭出学園教育研究所
- 出版社/メーカー: 日本文化科学社
- 発売日: 2015/01/30
- メディア: 単行本
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ネタとしている本はコレ。出版されたのは第2版のときだが、アセスメントの構造に大きな変更がある訳でないので、まぁ問題はないでしょう。
20の事例が載っており、どの事例にも「検査実施の経緯」という項がありそこに書かれている検査実施の目的の部分を抜き出した。
文として成立するように改変はしたが、内容はほぼほぼベタ打ち。
- 小学校進学に向けて、社会生活面で本児が現在まで身につけていること、課題となっていることを整理し、今後の指導の方向について考えるため。(幼稚園)
- 就学に向けて、本児が身につけてきたことや、今後の課題、予想される困難を保護者と共有し、支援の方向性について考えるため。(幼稚園)
- 就学を前に、本児が身につけてきたことを確認し、今後の支援の方向を定めるための指標として。(幼稚園)
- 小学校への就学に向けて、生活面・行動面で本児が現在までに身につけられてきたこと・課題となっていることを整理し、今後の支援の方向性について母親と共に考えるため。(幼稚園)
- 引き継ぎのためのケース会議および小学校での配慮の方向性の決定のため。(幼稚園)
- 生活面・行動面で本児が身につけられていること・課題となっていることを整理し、保護者自身が社会生活に必要な能力についての理解を深め、家庭で取り組めそうな課題を把握するため。(小学校・通常級)
- 個別教育計画の作成と前年度の指導を評価するため。(特別支援学校・小学部)
- 本児にとってよりよい支援を行っていくため。(小学校・通常級)
- 個別支援計画を見直すため。(小学校・支援学級)
- ソーシャルスキルトレーニングの参考とし、家庭での支援の在り方を検討するため。(小学校・通常級)
- ①家庭内での言語レベル、②学年相応の学習ができるだけの力があるかどうか、③集団適応の可能性を客観的に調べるため。(小学校・通常級)
- (通常級から)転学して約2年が経過し、学校生活が落ち着き、学習面も積み上がってきたので、社会生活面での課題検討のため。(小学校・特別支援級)
- 小2、小5の2回実施。①検査結果を小学部での個別指導の課題を検討するのに役立てるため。②中学部へ向けての課題を検討するため。(特別支援学校・小学部)
- 中学校の進路選択にあたって、生活面・行動面で本児が現在までに身につけられてきたこと・課題となっていることを整理し、今後の支援の方向性について母親と共に考えるため。(小学校。通常級)
- 入学後、1学期半ば、個別の指導計画を立てるため。(特別支援学校。中学部)
- 入学時、生徒の実態把握のため。(特別支援学校・中学部)
- 中学校卒業後の進路選択や進路決定に当たり、生活面・行動面で身につけられてきたことを把握し、今後の支援の課題について保護者と共に考えるため。(中学校・通常級)
- 本人の現在の生活面・行動面で身についていることや、課題、本人の特性や適性を整理し、今後の支援の方向について共に考えるため。(特別支援学校・高等部)
- 高校生活後半を迎えるに当たって、現在までの生活力や課題を整理し、今後の進路(生活、仕事、余暇)支援について保護者と考えるため。(特別支援学校・高等部)
- これまでの指導の評価と就労に向けての今後の課題を検討するため。(特別支援学校・高等部)
「今まで」と「これから」を位置づけようと、節目に(あるいは節目に向けて)実施することが多いのが分かる。定点観測をする枠組み的な意味合いが強いっぽい。
あと、保護者と考えるみたいのが多いが、これは保護者が質問紙に記入するって形式が大いに関係してるんだろうなぁ。
意外だったのは、専門家間で情報を縮約して伝達するみたいな例が少なかったこと。得られた情報の活用者がアセスメントの実施者である場合がほとんどだった。