ブリッグマン他『学校コンサルテーション入門』
学校コンサルテーション入門―よりよい協働のための知識とスキル
- 作者: グレッグブリッグマン,リンダウェッブ,ジョアナホワイト,フランムリス,Greg Brigman,JoAnna White,Linda Webb,Fran Mullis,谷島弘仁
- 出版社/メーカー: 金子書房
- 発売日: 2012/04/01
- メディア: 単行本
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仕事の都合で読んだ。オリジナルのタイトルがSchool Counselor consultationであることからも分かるように、対象としている読者はスクールカウンセラーである。ただ、アメリカと日本ではスクールカウンセラーに求められる役割であったり専門性であったりは違っていると思うので、スクールカウンセラーでない読者にとっても有益な情報は多々あると感じた。
本書はスクールカウンセラーの重要な役割にコンサルテーションを位置づけており、その具体的な方法を提供している。理論的な枠組みとしてはアドラー派、認知行動派、行動派の組み合わせてた統合的なアプローチをとっていると述べている。以前に大学院でコンサルテーションについても少しだけ習ったが、本当に少しだけだったのでこの本を読んでだいぶ見通しが良くなった。
訳者あとがきでも述べられているが、本書の中心的な内容は4章・5章における事例コンサルテーションの実際についてだろう。コンサルテーションを5段階からなるモデルでとらえ、各段階で行うべきことが具体的に紹介されている。コンサルティとの間でなされるであろうやりとりやそれに纏わる諸問題が示されているので、コンサルテーションの実際を想像しやすい。5段階の枠組みは学校現場で自分が行なっている活動が何なのかわからなくなったときなどに自分の位置を整理するのに役立つだろう。
巻末に日本語で読める学校コンサルーテションに関する文献案内が載っているも個人的にポイントが高い(ブックリスト大好きなので)。ここを入り口にさらに専門性を高めることもできるだろう。