猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

Broader Autism Phenotypeについて

Broader Autism Phenotypeという言葉を知った。Phenotypeというのは表現型と訳され、遺伝とかの研究の文脈で使われることが多い言葉である。生物に実際に現れる性質や形質のことを指す言葉で、遺伝子型と環境の相互作用によって表現型が決まるとされる。同じ…

島宗 理『インストラクショナルデザインー教師のためのルールブックー』

インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック作者: 島宗理出版社/メーカー: 米田出版発売日: 2004/11/01メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 71回この商品を含むブログ (35件) を見る行動分析学専門とする著者によるインストラクショナルデザイ…

ABC分析についての話を終えて

先月、ABAの基本的な知識について療育や保育の場で働いている方々を対象に話をする機会をもらった。このネタ自体は以前にもやっていたので2度目だったが、話の後の質問や対象者の問題関心から、次に同じテーマで話すとしたらいくつか補足しないといけないと…

カンマ入り数字のあるcsvの読み込み

R

csvからデータを読み込むときにカンマが入った数字(29,000)みたいなものが因子型(factor)のベクトルとして読み込まれることがある。そういうときには、read.csvのオプションにstringsAsFactors=FALSEというオプションをつけると良い。こうするととりあえ…

ggplot2の練習その1

R

Rで美しいグラフを描きたい欲が急に湧いたため次の本を買った。Rグラフィックスクックブック ―ggplot2によるグラフ作成のレシピ集作者: Winston Chang,石井弓美子,河内崇,瀬戸山雅人,古畠敦出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2013/11/30メディア: …

PDFの表をエクセルに取り込む

手元に大量というほどでもないのだけれど、手作業でやるにはちょっと時間がかかるデータがあって、今後何かで必要なこともあるだろうと機械にやらせる方法を調べ、そして苦戦した備忘録。macOXでエクセルはExcel for Mac 2011でやっています。まず、PDFをエ…

罰なき社会と学校社会と

学校社会に外から関わるようになり、「学校的」な考えのようなものに違和感を覚えることが以前より増した。昨今では、張り手や竹刀で叩くといった分かりやすい体罰はあまり見ないが、学校は罰的なものに満ち溢れている。「そんなことばかりしていると連絡帳…

学校外部から特別支援に関わる人の立ち位置は

石隈先生の『学校心理学』という本の中に次のような図がある(p.111)。これは学校臨床心理学というものを提唱している近藤先生が、援助サービスを援助者の位置(被援助者が属する社会との関係性)と援助の方法(直接性)の2つの軸で整理したものである。本…

島宗 理『パフォーマンス・マネジメントー問題解決のための行動分析学ー』

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学作者: 島宗理出版社/メーカー: 米田出版発売日: 2000/03/01メディア: 単行本購入: 39人 クリック: 312回この商品を含むブログ (119件) を見る 前から読もうと思っていながら読む機会を先送りにして…

ベイリー・バーチ『行動分析的"思考法"入門ー生活に変化をもたらす科学のススメー』

行動分析的“思考法"入門―生活に変化をもたらす科学のススメ作者: ジョン・ベイリー,メアリー・バーチ,澤幸祐,松見淳子出版社/メーカー: 岩崎学術出版社発売日: 2017/08/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 某所でABA的なお話をす…

運動誘発盲

運動誘発盲(motion induced blindness)と呼ばれる現象がある。百聞は一見にしかず。次のサイトの画像を見てみると良い。Motion-Induced Blindness真ん中の点を注視し続けると周りにある物体が忽然と消えてなくなってしまうのだ。 なにこれこわい。

田村・石隈『石隈・田村式援助シートによる実践チーム援助』

石隈・田村式援助シートによる実践チーム援助―特別支援教育編作者: 田村節子,石隈利紀出版社/メーカー: 図書文化社発売日: 2013/03/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る仕事の都合で読んだ。最近は、自分自身が直接的に支援を実施することに加えて…

文字への注視を促す支援は

自閉症児・知的障害児における文字への注視を促す支援教材に関する視線分析研究文字への注視を促す支援方法の違いを視線計測によるデータから検討した論文。自閉症児23名、知的障害児12名を対象に、指示棒、アンダーライン、音声の3つの支援方法と、教材の…

ダブルフラッシュ錯覚

ダブルフラッシュ錯覚というものがあるそうだ。これは、短時間点灯する光刺激に合わせて2回短い音を鳴らすと、実際には1回しか点灯していないのに点滅しているように感じられるものらしい。flush-beep illusionとかsound induced illusionと言う風にも呼ば…

ローズ『平均思考は捨てなさい』

平均思考は捨てなさい作者: トッド・ローズ,小坂恵理出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/05/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る統計関係でお世話になっている先生からの紹介で読み始めた。タイトルとかカバーとかは胡散臭い…

Rによる楽しい自動処理(入門の入門編)

R

実験を実施した結果、一つのフォルダに複数の.csvファイルが保存されたりする。サンプルサイズが小さかったり、処理が複雑でなければそれぞれを開いて手作業でやっても良いが、数が多くなってくると大変に時間がかかるので単純作業は機械にやらせると良い。…

ASDの視覚処理研究は母集団を適切に代表しているのか

Frontiers | Vision Research Literature May Not Represent the Full Intellectual Range of Autism Spectrum Disorder | Frontiers in Human Neuroscience 今までに行われてきたASDの視覚処理研究の研究参加者の属性についてIQの観点から検討した論文。い…

佐々木正人『新板アフォーダンス』

新版 アフォーダンス (岩波科学ライブラリー)作者: 佐々木正人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/01/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見るギブソンにも入門する必要があり読んだ。理論の解説のみでなく、ギブソンの人…

坂上裕子ほか『問いからはじめる発達心理学』

問いからはじめる発達心理学 生涯にわたる育ちの科学 (有斐閣ストゥディア) [ 坂上裕子 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 心理学 > 心理学ショップ: 楽天ブックス価格: 1,944円読んだ。自分が心理学周辺の知識を知らなすぎて困っ…

Spearman(1904)のメモ

"General Intelligence," Objectively Determined and Measured on JSTOR長い。90ページもあるのはやめてほしい。全ての知的活動の根底にあるg因子を発見したということで知能の二因子論の始まりとなる論文なわけだが、この時点ではまだg因子という言葉は使…

ASDと心の理論と

先日の記事で「心の理論」のチンパンジーを対象とした元論文について書いた。nekomosyakushimo.hatenablog.com書いている中で、そういえば私はバロンコーエンのオリジナルも読んだことが無かったことに気がついたのでそれにも目を通してみることにした。Does…

チンパンジーと心の理論と

ASD児者が心の理論に障害を持っているという仮説は、イギリスのバロンコーエンが最初に提唱したものである。少し詳しい人であれば、この心の理論というのは最初は、霊長類研究者であるプレマックとウッドルフがチンパンジーについて検討したものだということ…

3つ組はセットで考えるべきか

link.springer.comASDを考えるときに有名な三つ組(triad)というものがある。これは、社会性、コミュニケーション、想像力の3つの症状からASDを考えましょうと、イギリスの児童精神科医のウィングが提唱したものである。この三つ組を考えるとき、これらが…

女性のASD当事者の障害を見えにくくする要因

自閉症スペクトラム障害の女性は診断に至るまでにどのように生きてきたのか:障害を見えにくくする要因と適応過程に焦点を当てて読んだ。女性ASD当事者へのインタビューをもとに、ASDの障害を見えにくくする社会環境的要因を明らかにし、その中で当事者がど…

猫も杓子も今年の3冊【2017年】

昨年、一昨年とやっているので今年も良かった本の紹介を。【昨年までの記事】 猫も杓子も今年の3冊【2016年】 - 猫も杓子も構造化 猫も杓子も今年の3冊【2015年】 - 猫も杓子も構造化 今年は自分の身分的なところにそれなりの変化があり、本を読む時間は昨…

信頼区間について

真値は不変、区間が確率的に変動。 真値は不変、区間が確率的に変動。 真値は不変、区間が確率的に変動。みなさん、1日10回音読しましょう 特に人に説明する立場にあるひt・・・うわなんだおまえやめくぁwせdrftgyふじこlp【参考】 信頼区間についてよくある誤…

小貫悟・桂聖『授業のユニバーサルデザイン入門』

授業のユニバーサルデザイン入門 (授業のUD Books)作者: 小貫悟,桂聖出版社/メーカー: 東洋館出版社発売日: 2014/04/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る仕事の都合で読んだ。以前紹介したUDL(学びのユニバーサルデザイン)とは別物である。こっ…

続・クロンバックのα

前回の記事で全ての折半法の平均がクロンバックのαであるということについて書いた。nekomosyakushimo.hatenablog.com 今回は、内的整合性の意味をより理解するためにデータをいじって遊んでみる。内的整合性とは乱暴に言えば、テストの中の項目がどれだけ同…

クロンバックのαについて

友人からクロンバックのαについて質問を受けてあれこれ調べたことの記録。クロンバックのαとは信頼性係数の一つで内的整合性を表すものだとされている。テキストなどには信頼性係数の推定には(1)再テスト法、(2)平行テスト法、(3)内的整合性などがある…

Pythonの環境整理

色々な記事を参考にパッチワークのようにしていじっていたら、バージョン違いのPythonのどこに何が入っているのか訳が分からなくなったので整理することにした。その覚え書き。そもそも、今のところ自分に必要なのは、実験をプログラミングするための2系のpy…