猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

TTAPの用途

アセスメントの用途に関心を持っている。

昔大学生だった頃に受けた言語テスト(language assessment)についての授業で、テストの有用性はテストそのものの特性だけでは決めることができず、テストを使う目的や具体的な状況などに左右されるということを教わった気がする。

これって特別支援教育でのアセスメントにもかなり当てはまることだよなぁ、と思い、アセスメントを学んだり実施したりする際にはアセスメントの文脈というものをよくよく考えるようにしている。

で、以下はそのパーソナルな関心事のための備忘録。

『副読本:TTAP 自閉症スペクトラムの移行アセスメントプロフィールTTAPの実際』(梅永雄二・服巻智子 著/監修)という本に載っている12の事例の「目的」の項だけベタ打ちしたもの。( )の中はアセスメントの対象者。

  1. 本人の学習スタイルの確認及び作業班における支援内容の検討。(特別支援学校高等部生徒)
  2. 作業学習時、学校生活において主体的に活動し、自己肯定感を得る。また、女性に触れること、ストレス時の他害等問題行動を減らし、落ち着いて過ごす。(特別支援学校高等部生徒)
  3. スケジュール等を把握し、自分で正しい行動をとることができるようにする。(特別支援学校高等部生徒)
  4. 他害等の問題行動をなくし、適切な行動をとれるようにする。活動に参加できる場面を増やす。(特別支援学校高等部生徒)
  5. 乱暴な言動を減らし、社会的に認められる行動や言葉による応対ができるようにする。(特別支援学校高等部生徒)
  6. TTAPの結果や本校の個別移行支援計画の様式を踏まえて「進路サポートシート」を作成し、個に応じた進路支援の在り方を検討する。(特別支援学校高等部生徒)
  7. 対人面での困難を示し、支援を必要とする本人に対して、作業学習において接客における人との適切な距離の取り方や気配り等の対人関係スキル向上を図る。また、現場実習において、職場で求められる対人関係スキルを身に付ける。(特別支援学校高等部生徒)
  8. 就労移行。(移行支援事業所利用者【21歳】)
  9. 本人の学習スタイルの確認および早期から家庭及び地域へのトランジッションを目的とした支援の立案。(特別支援学校小学部児童)
  10. 札幌YMCA卒業に向けての就労のイメージ作りと実際のジョブマッチングの傾向を知り支援の方向性を探りたい。(専門学校学生【20歳】)
  11. 本人の学習スタイルの確認をして、機能的コミュニケーションの般化を目的とした支援をする。(特別支援学校高等部)
  12. 本人の特性の再確認や、一般就労へ向けて本人に適した作業種やスキルを向上させるための支援方法等をアセスメントし、提供するため。(通所の多機能型事業所利用の成人)


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