猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

ABAと用語の誤用

以前の記事でも似たようなことを書いたが、最近ABA関連でまた誤用に出会った。

ABAにおける「ABABデザイン」という言葉が、「ベースラインに後続して介入条件Aと介入条件Bを繰り返す実験デザイン」だと勘違いされていた。ABAの適当な教科書を参照すればすぐに分かることであるが、ABABデザインにおけるAとはベースラインのことである。従属変数としての行動と独立変数としての環境変数との関数関係を明らかにしたいために、Bにおける環境変数を一旦もとに戻すのである。このデザインがリバーサルデザイン(reversal design)であったり、除去デザイン(withdrawbal design)と呼ばれている所以である。

これに限ったことではないのだが、ABA界隈で、用語の誤用が多いと感じている。今読んでいるクーパーらの本『応用行動分析学』でも、負の強化という概念が多くの学生を混乱させてきたことが書かれているし(p.66)、以前「死人テスト」について調べたときに読んだLindsleyの論文でも用語の問題について論じていたと記憶している。中途半端に日常的な感じなのが誤解を呼びやすいのだろうか。

まぁ何にせよ、誤った概念を広めないように再度学習していきたいと思う。

nekomosyakushimo.hatenablog.com
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応用行動分析学

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