猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

ブリッグマン他『学校コンサルテーション入門』

学校コンサルテーション入門―よりよい協働のための知識とスキル作者: グレッグブリッグマン,リンダウェッブ,ジョアナホワイト,フランムリス,Greg Brigman,JoAnna White,Linda Webb,Fran Mullis,谷島弘仁出版社/メーカー: 金子書房発売日: 2012/04/01メディア…

タラソフ判決と守秘義務

守秘義務について考えるときにはタラソフ判決というものが参考になるらしい。簡潔に言えば、クライエントが「おれは〇〇を殺すぞー」とカウンセラーなりセラピストなりに言っていて実際に〇〇に危険が差し迫っている場合には、カウンセラーなりセラピストは…

ウィトマーと「臨床」と

臨床心理学の臨床(clinical)という言葉を最初に使ったのは、Witmerという心理学者でこの人はヴントのもとで実験心理学で博士号をとった人のようである。この人はドイツからアメリカのペンシルバニアに戻ったあとで、psychological clinicを作ったことで知…

相関係数の標本分布について

R

はじめに 『心理統計学の基礎』のp.114に相関係数の標本分布が図示されている。確率密度関数は数学的にかなり複雑だからとの理由で省略される代わりに近似的にその期待値を求める式が載っている。 その標本誤差についてもやはり近似的に求める次のような式が…

『心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門』

心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門―エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」作者: 原田隆之出版社/メーカー: 金剛出版発売日: 2015/12/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 近年、エビデンスという言葉を…

猫も杓子も今年の3冊【2018年】

全く余裕がなくて記事の更新がストップしているけれど, 年一で書いているシリーズものぐらいは更新しておこうかと思います。 過去のもの 猫も杓子も今年の3冊【2017年】 - 猫も杓子も構造化 猫も杓子も今年の3冊【2016年】 - 猫も杓子も構造化 猫も杓子も今…

確認的因子分析の際のモデルの識別についての調べ物

必要があってモデルの識別についての調べ物をしたその覚書。 使うデータはおなじみHolzingerSwineford1939。 潜在変数間に相関を仮定しない次のようなモデルを作ってみる。 library(lavaan) dat <- HolzingerSwineford1939 model1 <-" A =~ x1 + x2 B =~ x4 …

ここのところの読書

忙しいので記事にするだけのまとまった時間がとれないのですが、(後の自分のための)読んだという記録だけでも。 障害児の発達臨床〈1〉感覚と運動の高次化からみた子ども理解作者: 宇佐川浩出版社/メーカー: 学苑社発売日: 2007/07/01メディア: 単行本この…

Fisher流とNeyman-Pearson流とp値と心理学と

www.jstage.jst.go.jp 日心のシンポで知り読んだ。大変勉強になる論文だった。 Fisher は p 値を,統計家がデータの解析結果を「報告」するときのモノサシと位置づけ,比較試験の結果,効果があったか否かの「判定」は,臨床試験の主査である医師が単独ある…

心理学における測定について

心理学方法論 (朝倉心理学講座)作者: 渡邊芳之出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 2007/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログを見る 3章「測定をめぐる諸問題」を読んだ。気になったところのメモ。 実験でも理論的も基礎でも臨…

小川浩『重度障害者の就労支援のためのジョブコーチ入門』

重度障害者の就労支援のためのジョブコーチ入門作者: 小川浩出版社/メーカー: エンパワメント研究所発売日: 2001/07メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログを見る ジョブコーチ入門という書名の通りで、ジョブコーチというのがどういう仕事をす…

続・システマティックインストラクションについて

以前にシステマティック・インストラクションについて調べた記事を書いたとき、システマティック・インストラクションが日本語では「最小限の介入による指導」のプロンプトの階層を示す言葉のように扱われていることを指摘した。 nekomosyakushimo.hatenablo…

地域データいろいろ

地域の政策とかデータとかを調べる必要があって色々触って見た覚書など。 地方創生に向けた取り組みなど 地方ごとに地域版の総合戦略というのを策定するのが努力義務であるらしい。各自治体で公表している。政策へのリンクは以下のページにまとめられている…

平岩幹男『ディスレクシア発達性読み書き障害トレーニング・ブック』

ディスレクシア 発達性読み書き障害 トレーニング・ブック作者: 平岩幹男出版社/メーカー: 合同出版発売日: 2018/06/30メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 仕事の都合で読んだ。 薄くて文字のポイント数が大きいのですぐに読める。 内容は、(1)デ…

barplotのデフォルトの色は?

R

barplot()はベクトルもしくは行列データを与えるといい感じで棒グラフや積み上げの棒グラフを作ってくれる。 その際のデフォルトの色について。 まず、ベクトルを与えると単純な棒グラフが出力される。デフォルトの色はcol="grey"である。 x <- c(4,5,7) bar…

Rでプロットしたときの枠の隅の座標は?

R

Rでプロットするといい感じに枠と範囲を決めてくれるが、諸般の事情から枠の隅の座標が知りたくて調べたことの覚書。 結論から言えば、デフォルトではplotした範囲(xlim,ylimで指定した範囲)の4%分の長さを外にとっているっぽい。 プロットしたときに出る…

続続・シングルケース研究のグラフをRで描く

R

結構昔に、シングルケースのグラフをRで描く記事を書いた。 シングルケース研究のグラフをRで描く 続・シングルケース研究のグラフをRで描く なんやかんやでR歴が2年近くになった今見ると、すごい無駄な事しているなぁと思ったりする。 今回はより洗練された…

社会的妥当性について

社会的妥当性とは 社会的妥当性(social validity)という言葉がある。これは大雑把に言ってしまえば、応用行動分析学研究で実施される介入プログラムが社会的に容認されるかについて、介入によって実際に利益を受けるメンバーに評価させようという考えであ…

確証的因子分析の際のカイ二乗値はどこからくるの?

R

確証的因子分析を行うと、モデルがどの程度データに当てはまっているかの指標が複数算出される。その解釈の仕方については検索するとよく出てくるが、その算出については調べてもあまり出てこないので手元で色々と試してた記録を残しておく。 確証的因子分析…

いきなり因子分析(その7):WISCで試してみよう編

R

因子分析シリーズ記事。 その1(とりあえず試した編) その2(因子数の決定編) その3(様々な推定法編) その4(因子軸の回転編) その5(高次因子モデルと双因子モデル編) その6(確証的因子分析編) ずっと、同じデータセットというのも飽きてきたので違…

いきなり因子分析(その6):lavaanを使って確証的因子分析

R

シリーズものの記事。過去の記事はこちら。 その1(とりあえず試した編) その2(因子数の決定編) その3(様々な推定法編) その4(因子軸の回転編) その5(高次因子モデルと双因子モデル編) 前回までは基本的に探索的因子分析(Exploratory Factor Analy…

いきなり因子分析(その5):高次因子分析モデルと双因子モデル)

R

因子分析についてのシリーズものの記事。 その1(とりあえず試した編) その2(因子数の決定編) その3(様々な推定法編) その4(因子軸の回転編) 今回はもう少し複雑なモデルということで高次因子分析モデルと階層因子分析モデルのうち双因子モデルを試し…

いきなり因子分析(その4):因子軸の様々な回転

R

まだまだ因子分析の続き。 その1(とりあえず試した編) その2(因子数の決定編) その3(様々な推定法編) 今回は因子の回転について。 様々な因子軸の回転法 このシリーズものの記事では、Rのpsychというパッケージのfa()という関数を使っているのだが、こ…

通常学級の特別支援本

通常学級の特別支援─今日からできる! 40の提案─作者: 佐藤愼二,鈴木香織出版社/メーカー: 日本文化科学社発売日: 2008/04/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 15回この商品を含むブログ (4件) を見る 通常学級の特別支援セカンドステー…

いきなり因子分析(その3):様々な推定法を試してみた

R

以前からの続きで因子分析を試してみるシリーズ。 その1 その2 今回はいろいろな推定方法について。あいもかわらず清水先生のスライドを頼りにしながら試してみる。 Rで因子分析 商用ソフトで実行できない因子分析のあれこれ データセットは前回、前々回と同…

Rでの大規模データ処理:ffパッケージを試してみる

R

Rは大変便利な言語なのだけれど、大規模なデータの扱いは苦手と言われている。その理由は、データをメモリに全部載せて作業するので、メモリの量によって扱える操作が制限されるとういもの。最近やや大規模なデータを扱う必要があってその処理の仕方を勉強し…

いきなり因子分析(その2):MAPやBICや平行分析による因子数の決定

R

以前に書いた記事の続き。 nekomosyakushimo.hatenablog.com 前回は固有値を求めスクリープロットを書いて因子数を決定したが、因子数の決め方にも色々あるらしいので、それを試してみる。参考にしたのは関西学院大の清水先生の次のスライド。この記事の内容…

いきなり因子分析(その1)

R

思いつきで何かをやりたくなるということがあって、今は因子分析な気分なのでやってみる。ちなみに多変量解析の経験値はほぼゼロ。 データセットの準備 ここのところマイブームがアセスメントなので、知能検査のデータセットを使うこととする。Rのパッケージ…

WISC-ⅣはFSIQの解釈のみで十分!?

次の論文にさらっと目を通した。 Structure of the Wechsler Intelligence Scale for Children – Fourth Edition in a Group of Children with ADHD ADHD児を対象にWISC-Ⅳのデータについて確証的因子分析でいろいろなモデルを比較したというもの。 論文の内…

ワトソンほか『自閉症のコミュニケーション指導法:評価・指導手続きと発達の確認』

自閉症のコミュニケーション指導法―評価・指導手続きと発達の確認作者: リンダ・R.ワトソン,エリックショプラー,キャサリンロード,厚地友子,神尾陽子,金野公一,内山登紀夫,幸田栄出版社/メーカー: 岩崎学術出版社発売日: 1996/04メディア: 単行本この商品を…