猫も杓子も構造化

発達障害、特別支援などについて書いています。最近は心理学関係の内容が多めです。

ウェクスラー式検査をちゃんと扱おう論文

www.jstage.jst.go.jp 成人発達障害者の臨床を念頭においてウェクスラー式の検査の留意点について丁寧に書いてある。オープンアクセスだしおすすめ。 論文に直接書かれている訳ではないけど, 最近ADHDの成人の状態像についての論文を読む中で高機能だと適応…

吃音の入門本

吃音については 今までにしっかりとした本というのを読んだことなく, 恥ずかしながら啓発用のリーフレットに毛が生えたぐらいの知識しかなかったのだけれど,仕事の都合でまれに必要になることがあったので以下の本を買ってみた。 以下良いと思った点 とにか…

認知行動療法の入門書

『認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ』 自分の実務には今まで必要なかったのでざっくりとした考え方しか理解していなかったのですが, 認知行動療法(CBT)の実際というのがどんなものかを勉強してみようかと思い購入. 認知療法・認知…

第2回公認心理師試験の解答および解説(2019年・令和元年)

第2回公認心理師試験を受けてきました。試験後に, 分からなかった問題を調べたりしながら自分なりに解答およびその根拠をまとめました。せっかくなのでアップしておきます。 別に「解答速報」という訳ではないので合っているという保証はないです。あと, 調…

XBAの調べもの3

Cross-battery Assessmentの調べものの続き。前回記事はこちら。 nekomosyakushimo.hatenablog.com nekomosyakushimo.hatenablog.com Ettenticals of Cross-Battery Assessment (Flanagan et al., 2013)のChapter 6はXBAの強みと弱みを解説している。雑に読…

XBAの調べもの2

XBAについての調べものの続き。 前回記事はこちら。 http://nekomosyakushimo.hatenablog.com/entry/2019/06/18/223730:embed:titel Ettenticals of Cross-Battery Assessment (Flanagan et al., 2013)のAppendix Bには2001年から2012年に出版された検査のそ…

XBAの調べ物

Essentials of Cross-battery Assessment(Flanagan, 2013)のはじめの方を少し読んだのでメモを残す。久々に特別支援っぽいテーマ。 XBAとは Cross-battery Assessment(XBA)アプローチとは, すごく単純に言うと複数の認知検査, 到達テスト, 神経心理学検…

備忘録:Ubuntuに最新のRを

普通にapt install r-baseだと今だとRの3.4が手に入るが、パッケージによってはもっと新しいバージョンを求められるのでインストールすることにした。 qiita.com このサイトを参考にしたが、公開鍵の取得の際にproxyに阻まれて少しはまった。次のサイトを参…

備忘録:ターミナルの見た目変更

気分転換にターミナルを色々と変えてみる。 まず色合いを変える。次のサイトを参考に有名どころでsolarizedにした。 reasonable-code.com その中でlsコマンドのエイリアスを.bashrcに書き込むのだけれど、デフォルトでは.bashrcは自動読み込みしないので以下…

備忘録:proxy環境下でのapt

色々と手間取ったがsudo -Eが重要だったということのメモ。 qiita.com あとwgetの際のメモ。 qiita.com

重み付き最小二乗法についての調べ物

R

SEMなどの際の推定法の中にWeighted Least Square(重み付き最小2乗法)というものがある。通常の(重みをつけない)最小2乗法は標本共分散行列とモデルの共分散行列の残差が最も小さくなるようにモデルの母数を推定するが, WLSでは残差に対して異なる重みを…

ポリコリック相関係数のお勉強

R

ポリコリック相関係数とは, 2つの順序付きのカテゴリー変数の間に2変量正規分布を仮定して母相関を最尤推定する方法である。Olsson(1979)の方法が有名である。Rのパッケージでも計算できるがお勉強ついでに自作してみる。解説はこの論文を参考にした。 https…

読書メモ:マーカス・ボルスブーム著『テスト妥当性理論のフロンティア』

Frontiers of Test Validity Theory (Multivariate Applications Series)作者: Keith A. Markus,Denny Borsboom出版社/メーカー: Routledge発売日: 2013/05/15メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る これを読んでいる。 理解していない点や誤…

UbuntuにPsychopyを入れる話

自分のためのメモ。UbuntuにPsychopyを入れたときの記録。 UbuntuへのPsychopyのインストール 公式サイトにある通りターミナルを開いて以下のコマンドで一発。 sudo apt install psychopy これだけで無事に入る。超かんたん。 ちなみにPsychopy3は入らないの…

Binet-Simon Scaleのアメリカへの導入に関連した調べ物

調べ物の記録。当時の時代の用法に従いfeeblemindedには精神薄弱の訳語をあてていますが, 当時の用法に従っただけで差別的な意図はありません。 Henry Goddardについて Henry Goddardはクラーク大学を1899年に卒業してその後に, New JerseyのVinlandにある精…

学校コンサル本を読む

学校コンサルテーションを進めるためのガイドブック (学校コンサルテーションブック)作者: 国立特別支援教育総合研究所出版社/メーカー: ジアース教育新社発売日: 2007/11/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 実務の都合で上記の本を読んだ。特別…

Wechslerを読む

調べものの記録。Wechslerが何を書いていたか。Wechsler(1944)のThe Measurement of Adult Intelligence (3rd ed.)から。 成人の知能検査が必要とされた経緯 それまでの心理検査は大半が子供向けであって, その理由として, 子供のサンプルが集めやすかった…

初期の積木模様に関する調べ物

調べ物の記録。 Kohsと積木模様 ウェクスラー系の心理検査に使われる「積木模様」(Block Design)はアメリカでKohsという人が開発したものがオリジナルである。Kohs(1920)の論文を見ていると、ビネー式の知能検査から、言語が与える要因を除くことが開発…

ブリッグマン他『学校コンサルテーション入門』

学校コンサルテーション入門―よりよい協働のための知識とスキル作者: グレッグブリッグマン,リンダウェッブ,ジョアナホワイト,フランムリス,Greg Brigman,JoAnna White,Linda Webb,Fran Mullis,谷島弘仁出版社/メーカー: 金子書房発売日: 2012/04/01メディア…

タラソフ判決と守秘義務

守秘義務について考えるときにはタラソフ判決というものが参考になるらしい。簡潔に言えば、クライエントが「おれは〇〇を殺すぞー」とカウンセラーなりセラピストなりに言っていて実際に〇〇に危険が差し迫っている場合には、カウンセラーなりセラピストは…

ウィトマーと「臨床」と

臨床心理学の臨床(clinical)という言葉を最初に使ったのは、Witmerという心理学者でこの人はヴントのもとで実験心理学で博士号をとった人のようである。この人はドイツからアメリカのペンシルバニアに戻ったあとで、psychological clinicを作ったことで知…

相関係数の標本分布について

R

はじめに 『心理統計学の基礎』のp.114に相関係数の標本分布が図示されている。確率密度関数は数学的にかなり複雑だからとの理由で省略される代わりに近似的にその期待値を求める式が載っている。 その標本誤差についてもやはり近似的に求める次のような式が…

『心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門』

心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門―エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」作者: 原田隆之出版社/メーカー: 金剛出版発売日: 2015/12/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 近年、エビデンスという言葉を…

猫も杓子も今年の3冊【2018年】

全く余裕がなくて記事の更新がストップしているけれど, 年一で書いているシリーズものぐらいは更新しておこうかと思います。 過去のもの 猫も杓子も今年の3冊【2017年】 - 猫も杓子も構造化 猫も杓子も今年の3冊【2016年】 - 猫も杓子も構造化 猫も杓子も今…

確認的因子分析の際のモデルの識別についての調べ物

必要があってモデルの識別についての調べ物をしたその覚書。 使うデータはおなじみHolzingerSwineford1939。 潜在変数間に相関を仮定しない次のようなモデルを作ってみる。 library(lavaan) dat <- HolzingerSwineford1939 model1 <-" A =~ x1 + x2 B =~ x4 …

ここのところの読書

忙しいので記事にするだけのまとまった時間がとれないのですが、(後の自分のための)読んだという記録だけでも。 障害児の発達臨床〈1〉感覚と運動の高次化からみた子ども理解作者: 宇佐川浩出版社/メーカー: 学苑社発売日: 2007/07/01メディア: 単行本この…

Fisher流とNeyman-Pearson流とp値と心理学と

www.jstage.jst.go.jp 日心のシンポで知り読んだ。大変勉強になる論文だった。 Fisher は p 値を,統計家がデータの解析結果を「報告」するときのモノサシと位置づけ,比較試験の結果,効果があったか否かの「判定」は,臨床試験の主査である医師が単独ある…

心理学における測定について

心理学方法論 (朝倉心理学講座)作者: 渡邊芳之出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 2007/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログを見る 3章「測定をめぐる諸問題」を読んだ。気になったところのメモ。 実験でも理論的も基礎でも臨…

小川浩『重度障害者の就労支援のためのジョブコーチ入門』

重度障害者の就労支援のためのジョブコーチ入門作者: 小川浩出版社/メーカー: エンパワメント研究所発売日: 2001/07メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログを見る ジョブコーチ入門という書名の通りで、ジョブコーチというのがどういう仕事をす…

続・システマティックインストラクションについて

以前にシステマティック・インストラクションについて調べた記事を書いたとき、システマティック・インストラクションが日本語では「最小限の介入による指導」のプロンプトの階層を示す言葉のように扱われていることを指摘した。 nekomosyakushimo.hatenablo…