小学生の低学年では、「用具を正しく持つ」という内容が学習指導要領に明示されており、鉛筆の持ち方を指導する姿はどこの学校でも見られる。もちろん、その指導の丁寧さであったり力の入れ方は担任の先生のさじ加減であり、いくつもの学級を見ているとその…
発達心理学について勉強するとシェマという言葉を必ず学ぶ。ところが、最近ピアジェについて勉強し直す中で、ピアジェはシェム(Schéme)という用語とシェマ(Schéma)という用語を厳密に使い分けていることを知った。英米の研究者がピアジェを英訳する際に…
ピアジェについて調べ物をしている。自分にとってのピアジェは太田ステージによる認知発達治療に理論的基礎を与えている人で、『自閉症療育の宝石箱』や『自閉症治療の到達点』で得た理解がベースであった。 太田ステージによる自閉症療育の宝石箱作者: 永井…
体罰に関してあれこれ話をする機会があった。今でこそ表立った(?)体罰というのは教育現場で少なくなっているのだろうが、一部の運動部であったり、言葉のない知的に重い障害児教育の現場などでは、体罰の効果を信じている人を見たりもする。体罰に関して…
今では自閉スペクトラム症に遺伝子が関与していることはよく知られているが、下記リンクはその初期における重要な研究。少なくとも片方が自閉症の診断を受けている幼児期の21組の双子が研究の対象となった。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111…
以前少しだけ書いた広い自閉症表現型(Broader Autism Phenotype:BAP)について調べ物をしていたら、素敵なものを見つけた。https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/9781118911389.hautc02よくわからないがフリーアクセスである。ふとっぱらだね。BAP…
もうひとつの重回帰分析作者: 豊田秀樹出版社/メーカー: 東京図書発売日: 2017/06/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見る飛ばし飛ばしだが一応最後まで読んだ。本書の根底にある問題意識は「重回帰分析において偏回帰係数の解釈の誤りがとても多い」…
「〇〇をするにはIQ▲▲以上必要」みたいな文言、すなわち、IQを絶対値のように扱っている人に出会うことがある。よくってほどではないけれども、忘れていたころに「あぁ、またか」といった具合で出会う。知能指数、IQ(=intelligence quotient)というのはシ…
仕事で小学校等を訪問していて、低学年の指導において姿勢や鉛筆の持ち方を丁寧に指導している学級を見た。クラスの子たちの字の形は大変整っといる印象を受けたが、そういえば自分はあまり姿勢とか身体の動きとかを熱心に調べたことがなかったと思い、次の…
少し前に友人と感覚統合系の人たちはバランスボール好きすぎじゃないか問題について話をした。それで、感覚統合系の業界での評価がどんなものなのかが気になり調べて見た。日本語で読めるものでまず出て来たのがこれ。2006年とやや古い。ci.nii.ac.jp13件の…
非行・犯罪・裁判 (キーワード心理学シリーズ)作者: 黒沢香,村松励出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2012/02/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る心理学の応用領域は多数あるが、司法分野でどのように応用されているか知りたくて読んだ。特に、法と…
仕事の都合で集団随伴性について調べ物をした。個人ではなく、集団でのパフォーマンスについて強化が随伴することを集団随伴性と呼ぶ。ベイリーとバーチの『行動分析的"思考法"入門』には、集団随伴性が良い行動・良くない行動のどちらも産み出すことが紹介…
通常学級のユニバーサルデザイン スタートダッシュ Q&A55作者: 阿部利彦出版社/メーカー: 東洋館出版社発売日: 2017/10/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見る授業UD系の本に少しずつだが入門している。編著者は授業UD関係だとよく名前を聞く阿部利…
心理学のためのサンプルサイズ設計入門 (KS専門書)作者: 村井潤一郎,橋本貴充出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/03/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る大変勉強になる本だった。効果量や検定力について一通り勉強していたもの…
Broader Autism Phenotypeという言葉を知った。Phenotypeというのは表現型と訳され、遺伝とかの研究の文脈で使われることが多い言葉である。生物に実際に現れる性質や形質のことを指す言葉で、遺伝子型と環境の相互作用によって表現型が決まるとされる。同じ…
インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック作者: 島宗理出版社/メーカー: 米田出版発売日: 2004/11/01メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 71回この商品を含むブログ (35件) を見る行動分析学専門とする著者によるインストラクショナルデザイ…
先月、ABAの基本的な知識について療育や保育の場で働いている方々を対象に話をする機会をもらった。このネタ自体は以前にもやっていたので2度目だったが、話の後の質問や対象者の問題関心から、次に同じテーマで話すとしたらいくつか補足しないといけないと…
csvからデータを読み込むときにカンマが入った数字(29,000)みたいなものが因子型(factor)のベクトルとして読み込まれることがある。そういうときには、read.csvのオプションにstringsAsFactors=FALSEというオプションをつけると良い。こうするととりあえ…
Rで美しいグラフを描きたい欲が急に湧いたため次の本を買った。Rグラフィックスクックブック ―ggplot2によるグラフ作成のレシピ集作者: Winston Chang,石井弓美子,河内崇,瀬戸山雅人,古畠敦出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2013/11/30メディア: …
手元に大量というほどでもないのだけれど、手作業でやるにはちょっと時間がかかるデータがあって、今後何かで必要なこともあるだろうと機械にやらせる方法を調べ、そして苦戦した備忘録。macOXでエクセルはExcel for Mac 2011でやっています。まず、PDFをエ…
学校社会に外から関わるようになり、「学校的」な考えのようなものに違和感を覚えることが以前より増した。昨今では、張り手や竹刀で叩くといった分かりやすい体罰はあまり見ないが、学校は罰的なものに満ち溢れている。「そんなことばかりしていると連絡帳…
石隈先生の『学校心理学』という本の中に次のような図がある(p.111)。これは学校臨床心理学というものを提唱している近藤先生が、援助サービスを援助者の位置(被援助者が属する社会との関係性)と援助の方法(直接性)の2つの軸で整理したものである。本…
パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学作者: 島宗理出版社/メーカー: 米田出版発売日: 2000/03/01メディア: 単行本購入: 39人 クリック: 312回この商品を含むブログ (119件) を見る 前から読もうと思っていながら読む機会を先送りにして…
行動分析的“思考法"入門―生活に変化をもたらす科学のススメ作者: ジョン・ベイリー,メアリー・バーチ,澤幸祐,松見淳子出版社/メーカー: 岩崎学術出版社発売日: 2017/08/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 某所でABA的なお話をす…
運動誘発盲(motion induced blindness)と呼ばれる現象がある。百聞は一見にしかず。次のサイトの画像を見てみると良い。Motion-Induced Blindness真ん中の点を注視し続けると周りにある物体が忽然と消えてなくなってしまうのだ。 なにこれこわい。
石隈・田村式援助シートによる実践チーム援助―特別支援教育編作者: 田村節子,石隈利紀出版社/メーカー: 図書文化社発売日: 2013/03/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る仕事の都合で読んだ。最近は、自分自身が直接的に支援を実施することに加えて…
自閉症児・知的障害児における文字への注視を促す支援教材に関する視線分析研究文字への注視を促す支援方法の違いを視線計測によるデータから検討した論文。自閉症児23名、知的障害児12名を対象に、指示棒、アンダーライン、音声の3つの支援方法と、教材の…
ダブルフラッシュ錯覚というものがあるそうだ。これは、短時間点灯する光刺激に合わせて2回短い音を鳴らすと、実際には1回しか点灯していないのに点滅しているように感じられるものらしい。flush-beep illusionとかsound induced illusionと言う風にも呼ば…
平均思考は捨てなさい作者: トッド・ローズ,小坂恵理出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/05/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る統計関係でお世話になっている先生からの紹介で読み始めた。タイトルとかカバーとかは胡散臭い…
実験を実施した結果、一つのフォルダに複数の.csvファイルが保存されたりする。サンプルサイズが小さかったり、処理が複雑でなければそれぞれを開いて手作業でやっても良いが、数が多くなってくると大変に時間がかかるので単純作業は機械にやらせると良い。…